さて、うれしいご報告です。
このたび、私の志の原点ともいえる大切な本の完全リニューアル最新バージョンが新刊として、完全復活いたしました。
ハードカバーの単行本として、デザインも内容も新たによみがえりました。
思いをこめた本の親としては、うれしくてなりません。
題名は「「治る力」の再発見―自然治癒力を生む生命の原理」( 大塚晃志郎 著 日本教文社 刊 )。12月21日発売です。
内容も大幅な加筆を行い、最新のトピックも盛り込み、まったく新しい感じの本として、よい出来に仕上がりました。デザインにもこだわりました。
手っ取り早いハウツー的な内容ばかりが求められがちな世の中で、なかなかズバリ本質的なことを本音で書かしてもらえないような今日の出版事情の中にあって、心ある人たちに息長く読み継がれ、お役に立てることを願っての完全ニューバージョンです。
この本をヒントに、いざというときでも、しなやかで、たくましい、真に「強い自然治癒力」を発揮して、元気を取り戻していただきたい。
是非、お読みいただき、自然治癒力を生かした健康回復に役立つ考え方や発想が凝縮されておりますから、是非、ご友人などに、おすすめいただけたら、とてもうれしく存じます。
この本を新刊として発行するにあたっては、日本教文社第2編集部の田中晴夫さんには、とてもお世話になりました。
私の妥協のないこだわりに共感していただき、まったく新しく本をよみがえらせてくださった田中さんには、心より深く感謝しております。
なお、日本教文社のご好意で、本のあとがきの一部は、このブログで公開してもいいとの許可をいただきましたので、以下、一部をご紹介させていただきます。
このあとがきの一部を読んでいただければ、なぜ私が、「治る力」、すなわち、自然治癒力の本質を書きたかったのか、そのわけと、これからのビジョンが、ご理解いただけると思います。
「 あとがき
この本は、私にとって、原点ともいえる本である。一種の使命感をもってとりつかれたように書いたこの本は、私の出発点であり、私の志の原点ともいえる。医療の世界のさまざまな現実の難しさに遭遇するたびに、その初心を思い起こさせ、あらためて勇気をよみがえらせてくれる、私自身にとっても大切な本である。
多感な高校生のころ、社会や学校や、そして自分自身の中にもある矛盾に悩み、それを克服しようと、必死になって、なかなか見えない自分の道を求めていた時期、自然に「人間とは何か」「生命とは何か」という根源的なテーマが、自分の人生で探究していくライフワークのテーマとして、しだいにしっかりと自分の中に根を張ってきたように思う。
そのようなテーマに心がとりつかれていた二〇代前半、高度な医療技術を持っているはずの現代医学の恩恵を受けている人たちが現実に存在する一方で、そのようなレベルの高い医療を受けているはずなのに、なぜかよくならず、かえって悪化している人たちもかなりいる現実に直面させられた。ところが、現代医学でなかなか治らないような人たちの症状が、薬も使わず、手術もせずに、実にシンプルなやり方で、着実に目に見えて好転していき、ついには治ってしまうという実際の場面に何度も出くわすことになる。(もちろん、手術や薬物を不要と言っているわけではないので、誤解はしないでいただきたい。)
今まで、現代医学の高度な医療技術の恩恵を得て、ずっと治療してきたにもかかわらず治らなかった人たちが、薬も使わず、手術もせずに、よくなっていったのは、一体なぜなのか。なぜそういうことが実際におこるのか。その理由を知りたいという強い欲求にとりつかれた。また、「なぜ、生命は、そうはたらくのか」「生命は、なぜ、そのようなプロセスを経て、治癒へと向かうのか」と、問いは尽きなかった。
しかし、実際の現実は、悪戦苦闘の連続で、何度も断崖絶壁に一人立たされ、あえて勇気をふりしぼって決断しなくてはならないような体験をいくつもした。そういう試行錯誤を積み重ねていくうちに、しだいに、いろいろな方法に共通する根本的な「治癒への原理」があることに気がついた。いいかえれば、「治病の共通原理」というものがあることがしだいに見えてきたのである。
( 中略 )
今後は、2015年以降に、日本が、世界に誇れる本物の実力と内容を伴ったホリスティックなケアを実践する本格的な統合医療ホスピタル・モデルを、まさに東西医療の知恵の結晶として、世界で初めて日本で作れないものかと、ビジョンを練ってあたためているところである。他の国でも実現は可能であろうが、ほんとうにきめの細かい、こだわりのある「質の高い」全人的ケアと統合医療サービスの実現は、やはり「察する」文化として繊細な感性を持ち、大局的に東西文化を公平に見渡せる立場にあり、経済力でも、技術力でも、人間力でも、非常に高い水準を誇る日本こそが、世界に冠たる本物の中身の充実したモデルを作りうるポテンシャルを持っていると思うし、また、それを世界に堂々と示すべき時期に来ていると思う。
また、そういうヒューマンタッチな全人医療をめざすホスピタル内の施設では、たとえば、優秀な東西の医療の実力を備えながらも、映画が見られるシアターがあってもいいし、音楽コンサートや落語が聴けるコンサートホールがあってもいいのだ。
「ホスピタル」とは、単なる病気にかかった人の収容施設としての「病院」ではなく、心あるホスピタリティにあふれた全人的なケアを施し、患者に生きるよろこびと希望をよみがえらせ、生命力をしっかり回復させていくような場としての「ホスピタル」でなくてはならない。患者さんの生きるよろこびが息を吹きかえすように復活してくるような環境空間こそが、真のホリスティックな統合医療ホスピタルのモデルとなりうるのである。
体に不調があって、いざ行くべき診療科がわからなくとも、ちゃんと総合的に東西医療両面の知恵から診断予測をしてくれ、必要とあれば、すぐに専門の科に連絡をとり、さらに専門の立場からくわしく検討と対処をしてくれる。そういう中で、どういう治療や指導が、その患者さんにとって最良の選択になるか、東西医学と他の有効な相補・代替医療の中から、あらゆる可能性を患者の立場に立って検討してくれる、そんなホスピタル。救急医療にも、外科手術の前後にも、東西医療の知恵が共に大いに生かされるホスピタル。ホスピタルの中に足を踏み入れたとたんに、心も癒され、気持ちが明るくなるようにデザインされたホスピタルの環境空間。こういうホスピタルをあなたはほしいとは思わないだろうか?
これは、医師や医療行政をあてにして、人まかせにしてもだめで、そういうものを実際に作っていく主役は、実は、読者の皆さん方なのである。とくに、自分自身の命に重い責任のある、社会の指導的立場にある全国の企業家などの方々が、自分自身と家族、会社の社員の健康と命を守るためにも協力し合って、資金と知恵と人材を集め、真剣に、そのような全人的な統合医療ホスピタル・モデルの実現に取り組まないと、本当にバランスのとれた、ベストといえるものはできないように思う。
そのためにも、まずは、皆さんが「生命の知恵」、強い自然治癒力を生む知恵に気がつき、その大切さと威力を理解し、実感していただきたく願っている。すべては、そういう足元にある「生命の知恵」を再発見することから始まるのである。
( 後略 )
」
まあ、とにかく読んでみてください。
魂をこめた、いっきょに読める本。ずばり内容は本質的て、具体的で、哲学の芯が通っていながら、それでいて、感性には詩的なリズムの漂う、知と情の通った生命と人生の知恵の讃歌ともいえる内容になっています。
健康の問題で、何かご苦労のあった体験を持つ方ならば、なおさら、目からウロコのように、生きる力と元気が湧いてくると思います。