このブログの目的は、おもに経営者とその家族の健康管理や「命もうけ」に役立つような目からウロコの情報や発想を、わかりやすくお伝えし、文字どおり「命をもうける」知恵を養っていただくことです。
また、あいだが空いてしまい、たいへん失礼しました。
つい最近、北海道の食肉製造加工会社のミートホープが、表示してある牛ミンチ以外の肉を混ぜたりしていた事実が発覚し、大きな問題になったところですね。
その後の調査で、国産と表示してある牛ひき肉に外国産の牛肉を混ぜたり、さらには、牛肉以外の豚やラム肉を混ぜた肉を牛粗ひき肉として販売しているなど、およそ24年前から、社長自らの意向で、そういう表示外肉の混入や産地偽装、さらには賞味期限改ざんなど、あたりまえのようにやってきた事実があきらかになりました。
ようするに、「コストを下げるためには、他のものを混ぜて牛ミンチとうたって売ったって、どうせわかりっこない。それくらいやらなきゃ、儲けを出せないよ。」と、いったところが本音なのでしょう。こういう生産者の理屈で、どうせわかりゃしないと、24年ごまかしてきたわけですね。
私は、人は安きに流れやすいですから、こういうことは、おそらく他の食品製造加工会社もだまってやっているような気がしますし、あくまで氷山の一角だと思います。
生産者の側の理屈だと、コスト削減で、少しでも儲けを増やすためにも、「ちょっとぐらいいいだろう、どうせわかりゃしない」と思って経済効率ばかりを念頭に置いていると、どんどんエスカレートしてこうなるわけです。
表示どおりの肉と思い込んで、肉を仕入れ、コロッケなどの加工食品をつくってきた「加ト吉」などもえらい被害を被ったわけですね。全品回収しなければならないですから。
こういうのは本当に氷山の一角です。こういうことが、日常、あたりまえのようにおぼえておいてくださいね。
ところで、読者の皆さんは、コーヒーを飲まれる方も多いんじゃないかと思いますが、そのとき、店にたいてい用意されている「コーヒーフレッシュ」を入れて飲まれる方も多いでしょうね。
さて、その「コーヒーフレッシュ」は、一体何でできていると思いますか?
たいていの人は、ミルクとか生クリームが原料だと思われるのではないでしょうか?
いいえ、実は、「コーヒーフレッシュ」には、ミルク一滴、生クリーム一滴たりと使われていません。
植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に人工的に仕立てたものが、あの「コーヒーフレッシュ」の正体です。つまり、ミルクやクリームに見せかけた、まったくのニセモノなんです。
植物油を使うことで、実際の牛乳や生クリームを使うより、はるかにコストを安く作れる。だから、コーヒー店などで「使い放題」にできるわけです。
普通、植物油と水は混ざりませんから、そこに乳化剤を入れると、たちまち油と水が混ざって、あたかもミルクのように白く乳化するわけです。
コーヒーフレッシュの原材料を列挙すると、「植物油脂」、「カゼインナトリウム」、「加工でんぷん」、「グリセリン脂肪酸エステル」、「増粘多糖類」、「pH調製剤」と一括表示される「クエン酸」「クエン酸ナトリウム」、カラメル色素、香料(ミルクフレーバー)であり、まさしく、「牛乳」や「生クリーム」は一滴たりと使われていないのです。製品によって内容に若干の違いはあるようですが。
驚きですね。
この事実を知り、私は、すぐに「コーヒーフレッシュ」をコーヒーに入れるのをやめました。
だって、クリームもどきの人工添加物のかたまりなんて、口にしたくないじゃないですか。
皆さん、ご存知でしたか?このことを?
ここで、あらためて皆さんに質問します。
皆さんご自身もご家族も食べている「ミートボール」は大丈夫ですか?
実は、この質問をするには、深いわけがあります。
読み進めていくうちに、その意味がおわかりになると思います。
この5月に、私も長年活動に関わってきた日本ホリスティック医学協会の名古屋支部が主催して、食品ジャーナリストの安部 司 氏を招いての特別講演とシンポジウムが、名古屋でありました。
私は、かねてより、安部氏の話は聴きたいと思っておりましたので、この講演会のために東京から名古屋まで出かけていきました。
というのは、安部 司 氏は、元は、バリバリの食品添加物の開発者件トップセールスマンであった方で、現場から、われわれが知らず知らずのうちに安心して口にしている市販の食品の裏事情を現場から知り尽くしている人だからです。
その安部氏が、食品添加物の神様とまで、食品業界で評価されながら、キッパリその仕事をやめる決断をするには、それなりの事情があったようです。
安部氏は、化学を大学で専攻されていますから、化学物質についての専門的な知識にも精通している人です。
さて、皆さんは、私たちは、1日に平均どれくらいの添加物をいつのまにか口にしていると思われますか? また、それは1年でどれだけの添加物を摂ることになる想像がつきますか?
正解は、1日に平均10グラム。10ミリグラムじゃないですよ。10グラム。
年間で、なんと4キロになるそうです。(ただし、英国BBCの、ある女性ジャーナストによりますと、先進諸国では、1年に7キロという説もあるようですが。)
それもいつのまにかそれだけの食品添加物としての化学物質を摂っていることになるわけです。驚きですね。
安部氏は、食品添加物の神様と呼ばれたくらいですから、会場の机に用意した数十種類もの添加物を、サッサッと手際よく混ぜて、あっとうまに、誰がなめてみても、「とんこつのスープ」にしか思えない味をその場で作るのもお手のものです。「とんこつ」など一切使いません。そういうものがインスタント食品などであたりまえに平気で使われている。誰もそういう事実を知りません。
たしか彼によれば、現在、1500種類以上の食品添加物が使われているそうです。
添加物は、まさに魔法の粉で、暗い土色のタラコの現物が、一晩、添加物の液に漬けておくと、たちまち赤ちゃんの肌のようなぷりぷりのタラコに変身してしまうといいます。
「とんこつ」なしで、「とんこつスープ」を見事に作ってしまったり、古びた色の悪いタラコを、たちまちきれいで色鮮やかなタラコに変身させてしまう魔法の粉。
そういう添加物は、「食品を長持ちさせる」「色彩を美しく仕上げる」「品質の向上させる」「味をよくする」「生産コストを下げる」などという、生産者から見ても、消費者から見ても、非常に便利でよさそうな利点がありますが、その光の背後には、たとえ合法な添加物であっても、人体に対しての害悪や毒性、さらには、添加物が食卓を崩壊させる、という闇の部分は、便利さと経済効率優先のまえに、ほとんどかえりみられていないのが現状のようです。
安部氏が、食品添加物の神様とすらいわれたのに、なぜ、キッパリ足を洗ってしまったか、といえば、実は、その大きなきっかけは、彼が添加物で開発したゼッタイの自信作ともいえるミートボールにあります。
そのミートボールは、あるメーカーが安く大量に仕入れた「端肉」(牛の骨から削り取る、肉とはいえない部分。元の状態では、形はドロドロで、水っぽいし、味もなく、ミンチにもならないもので、現在は、ペットフードに利用されているもの)を使って、何か作れないか、とい依頼で、安部氏が開発したものです。
彼は、このどうしようもないとても食べれないシロモノに、卵を産まなくなったくたびれた鶏のミンチ肉を加え、さらに増量し、さらに、「組織状大豆たんぱく」を加え、味付けは、「ビーフエキス」と「化学調味料」を大量に使用。さらに「ラード」「加工でんぷん」「結着剤」「乳化剤」「着色料」「保存料」「ph調整剤」「酸化防止剤」をうまく加えて、ミートボールを作ってしまいます。
コストを抑えるために、市販のソースやケチャップは使わず、「氷酢酸」を薄めて「カラメル」で黒く色をつけたものに「化学調味料」を加えてソースもどき」を作り、ケチャップも「着色料」「酸味料」「増粘多糖類」をうまく調合して、「ケチャップもどき」も作ります。
本来なら、産業廃棄物となるべきクズ肉を、彼が「魔法の粉」である添加物を大量に投入して、舌においしい「食品」に仕立て上げたわけです。
このミートボールは、スーパーでも売値が1パック100円弱。安い!あまりにお買い得な価格!
笑いが止まらないほどの大ヒット商品となり、そのメーカーは、この商品だけでビルが建ったといわれるほどだったそうです。
ようするに、およそ30種類もの添加物を加えて作った「添加物のかたまり」のもうけでビルが建つほどだったわけです。
生産者の視点にたった、苦心の末での工夫の結果ともいえるこの「ミートボール」は、開発者の彼にとって誇りだったそうです。
ところが、ある日、猛烈サラリーマンのせめての家族へのサービスとして、3歳になる娘さんの誕生日には、早々に会社から帰宅して、めずらしく家族みんなで食卓を囲み、お祝いすることにしたようです。
食卓にはご馳走が並び、そのなかには、ミートボールの皿もあったようです。何気なく、それをひとつつまんで口に放り込んだとたん、彼の心は凍りつき、血の気が引いてしまいます。
なんと、そのミートボールは、彼が添加物を大量に使って開発した自信作のミートボールそのものだったのです!
安部氏は添加物のプロなので、食品にまじっている100種類ほどの添加物を、瞬時に舌で識別できます。
安部氏の奥さんによれば、有名な大手メーカーのものだから安全だと思って安心して買っており、ふだんから子どもたちが好きで取り合いになるくらいとのこと。
安部氏は、真っ青になって、あわてて、「これは食べちゃいかん!」とミートボールの皿を両手で覆ってしまい、胸がつぶれるような思いをしたといいます。
廃物同然のクズ肉に大量の添加物を投入して作ったミートボールを、わが子が大よろこびで食べていたという現実。
「ポリリン酸ナトリウム」「グリセリン脂肪酸エステル」「リン酸カルシウム」「赤色2号」「赤色3号」「赤色102号」「ソルビン酸」「カラメル色素」などのあふれるような添加物を、自分の愛する子どもたちが平気で摂取していたという事実。
そのとき、安部氏は、いままで「生産者」と「販売者」の立場でしかものを見ていなかった自分のあさはかさを知り、自分の家族も、また「消費者」であった現実を思い知らされます。
とにかく、親として、自分が開発したこのミートボールは、自分の子どもたちにはゼッタイに食べてほしくないものである、ことを思い知った安部氏は、夜も眠れぬほど、悩み苦しみ自問自答したあげく、きっぱりと、添加物の会社をやめる決心をしたといいます。
へたをすると人を殺傷する軍事産業と同じで、人を殺傷して、懐をこやす死の商人と同じように思えてきて、このままでは畳で死ねないと思いつめたそうです。
でも、いわゆる会社人間のほとんどは、「でも、食っていくためにはしかたがない…」といいわけし、保身をはかり、臭いものにふたをして、知らぬふりをするのではないでしょうか。現実には、そういうケースがほとんどといっていいでしょう。それが、多くのサラリーマンの世界です。
この点で、さすが将来の会社役員として確実に出世したに違いない安部氏の、自分をごまかさない勇気と決意と実行力は、たいしたものだと思います。サラリーマンには、なかなかできることではありません。彼は、自分の保身のために、嘘はつけなかったわけです。
それ以来彼は、このような食品の裏側の真実を消費者に知ってもらうための講演を全国で、やってきているのですが、実は、彼は、ただ現実に行なわれている事実を伝えるだけであり、善悪の判断はしていません。
なぜなら、そのような食品が消費者に受け入れられているには、消費者側にも、家族でいっしょに食卓を囲み、手づくりの料理を食べるということを忘れ、便利で、カンタンだからという理由で、どんどん食事に関して手抜きをしてしまい、安易に子どもたちにそういうものを与えてすませてしまうのですから、家庭の側にも大きな原因があるのです。
つまり、消費者が便利で手間がかからないカンタンなものばかりを安易に求めるから、生産者はそれに合うような売れるモノを作っていってしまう、という関係があるわけです。ですから、消費者は、被害者意識ばかり持てる立場ともいえないのです。
だって、自分が楽をしたいから、添加物だらけの手抜きのコンビニ食を、自分の子どもに平気で与えているのでしょうから。
驚くべきことに、コンビニで売っているおにぎりは、何日置いておいても腐りませんし、また、ファーストフードの大手ハンバーガーショップで売られているフライドポテトは、ビーカーに入れて、1ヶ月放置しておいても、カビも生えず、腐敗もしません。
まったくこわい話で、ぞぉ〜っとしますね。
安部氏によれば、何よりもあまりに知られていない真実を、まず知る、ことが大切であるといいます。その上で、各自で、それを判断し、自分でどうしたらよいか選択してほしい、とのことです。
消費者を単なる被害者意識に甘えさせず、自己正当化や他人への責任転換をさせないで、ありのままの事実に真正面から向き合わせて、考え、行動を選択してもらう方法をとる安部氏の姿勢には、私も大いに共鳴します。
便利で安易な食品を手っ取り早く選んで買った消費者側にも、それを選んだ責任がありますからね。
ただ真実を知らされていないままなのは、アンフェアーです。
ですから、まず、本当の事実がありのままに公開され、皆がその事実を正確に知ることが必要でしょう。
その上で、何を自分で選択するかは、各人の自由です。
5月に名古屋で行なわれたその講演会のタイトルは「知れば、怖くて食べられない…しかし、あなたは必ずそれを口にしている」というもので、会場のホールが超満員だったことにも、それほどに今、人々の関心が高いのかと、あらためて驚きました。
私は、もともとその日はパネリストではなかったのですが、司会の方が、私が、世界の状況などにもくわしいことを知っていて、いきなり飛び入りでパネリストとして参加してもらえないかとの打診があり、よろこんでその申し出を受けました。
安部氏ともじかに意見を交換してみて、わかったことですが、どんなに注意しても、もはや添加物をまったくとらないことは、もはや不可能である。でも、家庭での手作り料理を食べることを心がければ、以前よりもはるかに添加物を摂らなくてもすむようになる、とのことでした。
また、彼と共通する認識として、家庭でお母さんの手料理を家族みなで食べる習慣のある子どもたちや、お母さんの手作りのお弁当を食べる子どもたちは、家族との心の絆が強く、ちょっとしたことで安易に非行に走ることはないのではないか、という点でした。
さらに、子どもたちの舌の味覚が、添加物でかなりおかしくなってきてしまっている事実を知ることも重要ですが、食に関わる家族同志のコミュニケーションや家族の心の絆を深める場や空間としての意味でも、「食育」としての重要な役割があるのではないか、という見解が出ました。
「法律の基準は守っているし、食品の袋にはちゃんと添加物のことは表示されているのだから、いいのだ」というもっともらしい業界の理屈に安心していては、とても市販されている食品の裏側の真実は見えてきません。
勇気ある決断をされた、安部 司 氏の本、「食品の裏側−みんな大好きな食品添加物」(東洋経済新報社 )は、60万部ものベストセラーになったとのことです。このような生産者の現場からの実情に実際に関わってきた開発者件トップセールスマンの発言は、非常に貴重です。是非、この本は是非入手して、ご家族で読んで、ご家族の健康を守る知恵としてお役立てください。