2007年01月03日

あなたが明日まで残したい一番大切なものは何?

 このブログは、おもに責任ある経営者やそのご家族の方の健康管理や「命もうけ」に役立つような知恵や情報を、わかりやすくお伝えすることが目的です。

 おけましておめでとうございます!

 私は、毎日欠かさず腕立て伏せをやるような根性で、ブログ記事を毎日書きつづけていく自信はまったくありませんので、ものぐさながらもコツコツと、書きたいときに書いていくことにします。ということで、本年もよろしくお願いいたします。

 1年の始まりにあたり、とても意味深い寓話がありますので、私のブログを貫く精神とまったく同じ内容を持つものなので、ここにご紹介させていただきます。

 古代の神話からのお話。

 その昔、悪魔が町にあらわれて、人々にこういったそうな。

 「今日から、おまえたちのものをすべて奪い取ることにした。だが、悪魔とて情けはあるので、明日まで残しておいてほしいものをひとつだけ、書き出せ。それだけは、奪わないでいてやる。それ以外のものは一切、奪い去るから、そのつもりで。」

 こういい残して、悪魔はひとまず立ち去った。

 さてたいへん、町の人たちは、てんやわんやの大騒ぎ。

 「おれは金だ。」

 「おれは食いものだけは残しておきてえ。」

 「私は家がいちばん大事だ。」

 「いや、私は宝石よ。」

 「私は、やはり名誉だ。」

 人それぞれいちばん大切と思うものを、あわてて書き出したそうであります。

 皆さんだったら、どうしますか?何を残しておきたいですか?

 さてさて、一夜明けてみると……その町には、なんとたった一人の人間しかいなくなっちゃったそうですよ。

 おわかりになりますか?

 えっ、おわかりにならない?

 その人だけだったんです、紙に「命」と書いた人は。

 金だ、屋敷だ、宝石だ、名誉だ、やれ何だと書き出したほとんどの人が、いちばん肝心な自分の「命」を書き残しておくことを忘れていたわけですね。

 もちろん、金も、家も、仕事も、名誉も、愛も、たしかに大切なことですが、あくまで「命」あってこそ味わえる価値があるもの。

 「命」以外のものは、しょせんは人生の一部でしかないわけで、「命」を失えば、どんなに価値があるものだって本人は味わえなくなる。

 「命あってのモノダネ」とは、先人はよく言ったものだと思います。

 年商およそ600億円を誇るM&Aで急成長した上場会社の創業者と会って話をしたことがありますが、友人の社長たちが、バタバタとがんで倒れていくので、それが心配なだけでなく、ご本人も、もし自分ががんに倒れたら、取引銀行からも、急に冷たくそっぽを向かれるだろう、ということで、とてもがんになることをこわがっておられるようでした。

 私は、志なかばで、あとせめて1年でいいからもっと生きたいと、熱烈に願いがら、それを果たせなかったような、がんなどで亡くなった人たちの無念を、実際にこの眼で目の当たりにして見てきました。だから、この寓話の示す深い意味も、非常に現実味をもってよくわかります。この寓話を紹介したのは、心身統一の哲人、中村天風師であります。

 無念のまま亡くなった人たちの屍を、助けられなかった悔しさに歯を食いしばりながら何人も実際にまたいできたのが私で、私はそんじょそこらのおっちょこちょいな調子のいい健康評論屋じゃありませんもの。

 「命がありさえすれば、他のことは、あとからでもなんとでもなる」ことも、事実としてよく知っています。

 新年なので、自分にも喝を入れてくれる、とても強烈な言葉を最後にご紹介しておきます。

 「あなたが無駄に過ごしてしまった今日は、昨日死んだ人が痛切に生きたかった明日である。」

 実際に、無念のままに死んでいった人を何人も見てきたがために、私のなまけ心に強烈な顔面パンチを入れてくれる言葉です。

 もちろん、別にときどき十分に休息をとってもかまわないと思いますが、無理を承知で、何かにあえて挑戦しようと決意していながら、急にこわくなって逃げたくなったようなときに、この言葉を思い出すと、失敗するかどうかを心配し気にできるだけでも、むしろありがたいことなのだ、と自分に喝と気合を入れることができます。

 皆さんも、この2007年に、どうぞ、この言葉をお役立てください。 

  

Posted by otsukako at 23:06Comments(9)TrackBack(0)