このブログの目的は、おもに変化の激しい時代に重責を担う経営者と、それを支えるご家族の皆さんの「健康管理」や「命もうけ」に役に立つような知恵や情報をわかりやすくお伝えし、1000億円出してもゼッタイに買えないような生命についての知恵や洞察力を培うヒントにしていただくことです。
またまた、ブログのあいだが空いてしまい、申し訳ありません。
今、南インドにある、バンガロールに来ています。
実は、ITの拠点としてインドのシリコンバレーともいわれる、このバンガロールの市の郊外に、およそ20年近いおつきあいのある私の友人のインド人が、2003年にオープンしたホリスティックなヘルケア・リトリート・センターがあります。
広大な敷地を持つその施設に、海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」で有名なダイヤモンド・ビッグ社の専務取締役をしているF氏にたのまれて、彼の体験視察旅行の仲介役とガイド役を、私がやることになり、同行してきたわけです。
構内に足を踏み入れただけで、自然に気持ちが落ち着き、その静かさに癒されてしまうようなところで、いいところです。
欧米からの滞在者も多く、施設は、とても清潔で、施設の環境や空間ともに、よくデザインされています。
ここ数年で、欧米でだんだん知られてきたようで、英国のBBC放送が取材に訪れていますし、有名なフランスの「Match Du Monde」誌が記事で取り上げているほどです。
また、ノーベル平和賞を受賞した、南アフリカのデズモンド・ツツ大司教も、おしのびでここに滞在して静養していたことがあります。
たまたま同じ時期にそこに滞在していた私は、朝起きて朝食をとりに食堂に行くとと、たまたま人のよさそうな黒人夫妻がぽつんと座っていたので、仲間に入れてもらって朝食をとりながらいろいろな話をしたのですが、実は、そのご夫婦こそが、ツツ大司教のご夫妻であることを知り、なんともいえぬめぐりあわせの幸運に驚いたものでした。
英国アンドリュー王子の元妻でヨーク公爵夫人のサラ・ファーガソン夫人も、ホリスティックなヘルケアへの興味とご自身の保養のために、ここを訪れたようです。
といって、高級すぎてかたくるしく敷居の高いかしこまった施設では決してなく、清潔で静かで、吹いてくる風がさわやかで思わずうれしくなるような環境で、とてもフレンドリーでアット・ホームな雰囲気があるところです。決してセレブのためだけの気どった施設ではありません。
その施設の名前は、「SOUKYA」といい、ひとことでいえば、ここに滞在中に、静かで落ちついた自然環境のなかで、その人の体調に合わせて、さまざまな自然療法を行い、心身の根本的なリフレッシュと健康回復を実感してもらうリトリート型保養施設というと、わかりやすいでしょうか。
「SOUKYA」とは、南インドの日常生活で、「ウェルネス」とか「元気」といった意味に近い言葉ですが、もともとの意味は「心と体と精神の調和した状態」という意味だそうです。
ここは、単なるビジネス営利主体のスパー・リゾートとは一味違い、まさに、忙しい現代人の「命もうけ」になるような体験を実感できるような内容を持っています。
ダイヤモンド・ビッグ社専務のF氏には、この施設のことは、以前より伝えてあったのですが、超多忙で行けるゆとりが、今まで全くなかったようです。
ところが、今回は、経営者やエグゼキュティブ向けのホリスティックなヘルスケア&ヒーリング体験ツアーのようなものを将来、企画できないだろうか、という話が急に出てきて、体験視察の旅行を組むことになったわけです。
施設では、構内で、有機農法による野菜や薬草を自家農園で栽培しており、毎日の食事は、ヘルシーな菜食志向型食事のメニューであり、その人の体調や体質、健康状態に合わせて、アーユルヴェーダ・インド伝統医学( Ayurveda )、ホメオパシー( 同種療法:Homeopathy )、ナチュロパシー( 自然療法: Naturopathy )のノウハウのひとつであるハイドロセラピー( 水治療法:Hydrotherapy )を、うまくブレンドしたトリートメントを行なっています。
心身状態の顕著な変化は、1週間滞在した頃にはっきりわかり、2週間もしくは21日間しっかり滞在してプログラムを実行すると、心身ともに、すっかり若返り、体調の不調も改善できるようです。
ただし、病院ではないので、入院するための施設ではありません。病気になる前に未病をふせぎ、効果的に「命もうけ」をするための施設です。
人件費の安いインドだからこそ、手間と人件費のかかる水治療法のノウハウも実践できるようで、日本で、こういうものを作るには、コストがかなりかかりそうです。
この施設の作ったのは、ホメオパシー医である、アイザック・マタイ博士 ( Dr. Issac Mathai ) で、1989年にバンガロールで開催されたホリスティック医学&ヘルス国際会議の企画主催者であり、世界中からおよそ800人もの参加者があっただけでなく、当時、ノーベル平和賞を受賞したばかりの、チベットのダライ・ラマ法王もオープニングに参加し、大いに話題になったものでした。
また、彼は、2003年の1月に、やはりバンガロールで、「グローバル・ホリスティック・ヘルス・サミット」という名の国際会議をプロデュースしました。
1989年、2003年ともに、私は、日本代表のひとりとして参加し、発表もしましたが、とくに2003年は、彼の心意気を応援するべく、積極的に声をかけて、日本から医師や医学者の参加者を集め、さらに、私のグローバルなコネクションを生かし、東南アジア諸国や米国からも参加者を集め、協力したものです。
いずれ、日本に、忙しくて、ついついご自身の「命もうけ」がおろそかになりやすい経営者のために、どこかにこういう施設が作られてもいいかな、と思っていますが、日本の場合は、さまざまな法的・経済的な問題の克服が重要な課題になりそうです。
長年の友人のマタイ博士と久しぶりに話しをしたところ、なんとせっかちで超多忙なニューヨーク在住の実業家であるにもかかわらず、ここに来るたびに体の調子が良くなることが実感できるので、来るたびにだんだん滞在期間が延びてきてしまい、とうとう、超多忙な中、はるばるニューヨークから、飛行機でおよそ18時間かけてかけつけ、定期的に2ヶ月も滞在する人もいるそうです。
その実業家は、きっと「命もうけ」の実践により、新鮮な心身相乗的な満足感と、その深く大切な意味を実感し、理解したのだと思います。
騒々しいブレイン・ストーミング( Brain Storming )を、あえてしばらく休み、逆に、この施設に滞在して、十分に心と体を休ませ、むしろブレイン・カーミング( Brain Calming )を行なったところ、むしろ、逆に思いがけなく、将来、何十億円の利益を生むような、いいビジネス・アイデアがひらめいた実業家の滞在者もいたそうです。
ブレイン・ストーミング( Brain Storming )という表現に対して、ブレイン・カーミング( Brain Calming )という表現を用いて、次のように説明してくれたのは、マタイ博士です。
「例えていえば、こういう施設に滞在していても、ビジネスのアイデアを出そうと、ブレイン・ストーミングすることは、ちょうど良い土壌に良い種をまいて、やっと芽が出てくるところを、文字通り、嵐( Storm )で破壊して、台無しにしてしまうようなものです。
そうではなく、良い土壌に良い種をまいたなら、丁寧に水をやり、栄養に気を配り、芽が出た後、それがしっかりと成長するように、静かに見守るべきなのです。そうすれば、しっかり根を伸ばし、芽は丈夫に成長して、茎や葉の伸ばし、いずれは花を咲かせます。
これと同じことで、頭をやたら使って、嵐のようにアイデアを出そうとすることよりも、頭や心身を休ませて、アイデアの芽が成長していけるように静かに見守ることのほうが大切なのです。」
なるほど、腑に落ちるところがありますね。
積極的に心身をほどよく調整し、未病のうちに治してしまうような、クリエイティブでポジティブな心身の休息の時間を、あえて取ること。
忙しく責任の重い経営者であるからこそ、命を太く、長く、のびのびと楽しむ「命もうけ」の知恵を実践できる環境空間に、しばしば定期的に身をおき、内なる生命の知恵と力を熟成・発酵させておくことが。むしろ必要となってくるのではないでしょうか?
これも、いわば「急がば、まわれ」の知恵ですね。
「命もうけ」の実践は「命の洗濯」に似ていて、まさしく将来の自らの「命の選択」すなわち、「命の使い方」と「命の終わり方」の方向性と意味をはっきりと決定づけるほどの大きな「利息」を生んでくるものになる、と私は思っています。