このブログの目的は、おもに経営者とその家族の健康管理や「命もうけ」の知恵に役立つような、目からウロコの情報や発想を、わかりやすく伝えていくことです。
「西洋医学と東洋医学は、水と油ほど全く違っている」とよく、あたりまえのようにいわれていますが、本当にそうなんでしょうか?
たしかに現代西洋医学と東洋医学の考え方は、かなり異なっていますね。
でも、現代西洋医学といえども、西洋医学のルーツをたどれば、キリスト以前のおよそ今から3500年前、古代ギリシャのヒポクラテスが西洋医学の父といわれています。とくにヨーロッパでは、ヒポクラテスの生誕地、ギリシャのコス島詣でをする医師も、今でもけっこう多いようです。
ヒポクラテスは、迷信に呪縛された時代から人間を解放し、病や健康について客観的な観察をし、その洞察に基づき、理性的な医学と医療を築いていったということにより、科学的な西洋医学の父といわれているわけです。
しかしながら、その根本的な考え方は、ギリシャ語で「フュシス」(Physis)と呼ばれる「自然性」「自然のはたらき」というものを、もっとも信頼かつ重視し、そのはたらきを最大限生かして病を治すことを、根本としていたわけです。
おもしろいことに、人間の体の外部にある自然環境が示す変化・バランス・調和というものを調整している自然の力と、まさに同じような力が、人間の生きている体の内部にもダイナミックにはたらいている、と洞察したのです。
つまり外にある自然の力と同じ力が、体にもはたらいていると考えたのです。
すなわち、自然と人間を対立としてとらえるよりも、外の自然と体の中の内なる自然を分けなかったといってもいい。
さらに、興味深いことに、その「自然のはたらき」をあらわすギリシャ語の「フュシス」(Physis)という言葉から「フュシクス」(Physicus)というラテン語が生まれ、そこから医師を意味する「フィジッシャン」(Physician)という言葉が生まれています。そもそも、その本来の意味は、「自然療法者」もしくは「自然のはたらきを助ける者」という意味だったのです。
それから、ヒポクラテス医学の弟子たちに、その根本的な考え方が引き継がれ、のちに、「病を癒す自然の力」、ラテン語で「ウィス・メディカトリックス・ナチューライ」(vis medicatrix naturae)という言葉、平たく言えば、「自然治癒力」という言葉が生まれています。
まさに、もともとの西洋医学の医師たちは、体にはたらく自然の力を活用し、そのバランス回復・自己修復調整能力を最大限に引き出すことを、治療の根本としていました。
う〜む、どうも、やたらたくさんの薬を出したがる今どきの西洋医学の医者たちとはずいぶん様子が違うようですね。
でも、おやおやおや?こう見てくると、西洋医学って、もともと東洋医学の考え方にそっくりという感じがしてきませんか?
実際よく調べていくと、もともとの西洋医学の発想は、今の現代西洋医学の発想とかなり異なり、むしろ東洋医学の考え方とまるで双子のように似ていることがだんだんわかってくるんですよ。
かつては私も、てっきり西洋医学と東洋医学は、もともとまったく違う別物だと思い込んでいたわけで、実はもともと西洋医学と東洋医学は、非常に似ていることにか気がついたときは、目からウロコどころか腰を抜かすほどびっくりしたんです。
ここらへんをくわしく書いていくと、本1冊になってしまいますから、今回はここまでにして、追い追いもっとくわしくお伝えしていこうと思っています。