先回、桐の箱にでも入れて献上したいくらいの価値がある健康食品が、実は、どこのスーパーでも安く手に入る、えのきだけ、なめこ、ぶなしめじ、であることをお伝えして、意外に思われた方々が多かったと思います。
そうなんですよ。高価は市販の健康商品よりも、身近なところに、宝物のような効果を持つ本物健康食品がありますから、そういうものを、しっかり見直してみてください。 不思議なことに、そういうものほど安価です。
おもしろいことに、軽い病気に関わることであろうが、重い病気に関わることであろうが、生命の真実にまつわる重大な事実や本物情報は、ほとんど、皆さんの日常の足元にあります。だから、ついうっかり見落としてしまうのです。
生命の真実は、まさに自らの足元にあり。
さて、食用きのこの驚くべき、がん抑制効果については、その研究では世界的に有名な池川哲郎博士が、一般向けに書いた、「きのこ好きほどガンになりにくい」(池川哲郎著 主婦の友社)
巷での健康食品業界での熱狂とは裏腹に、池川先生の実験研究では、話題のアガリクス茸は、効果が認められなかったというのですから、これも驚きですね。
アガリクス茸は、「ヒメマツタケ」とか「カワリハラタケ」とか呼ばれているハラタケ属(Agaricus)に属するきのこの総称で、ある特定のきのこの固有名ではないようです。「ヒメマツタケ」の学名は、「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」(Agaricus blazei Murill)といい、このことをアガリクス茸と呼ぶ場合が多いようです。
池川哲郎博士の実験研究では、アガリクス茸は、がん抑制に効果がなかったばかりか、実験マウスのなかには、何例か、むしろ腫瘍が増大したようなケースもあったようです。がんに効果があるとうたわれているものが、これでは、まずいですね。
世界的に有名な池川先生のお墨付きを得るために、さまざまな業者が先生を利用しようと近寄ってきますが、池川先生のえらいところは、アガリクス茸に関しては、業者がどんなにおいしいことをいってこようとも、学者の良心にのっとって、自らの研究事実を重んじ、頑として、首をタテに振らないことです。
アガリクス茸については、ある大企業が、ある大学教授と組んで、米国の国立がん研究所(NCI)から20億円も研究予算を取った、ということが、センセーショナルに健康産業関係のニュースで流れたことがあります。
米国は、あくまで自らの国益にかなうことに対して、予算を出すのが建前ですから、米国事情にくわしい私は、ややおかしいな、と思いました。
そこで、ワシントンDCを訪問した折に、以前より親しくしている米国国立がん研究所でがん相補・代替医療研究調査局の局長をたずねて、事実かどうか、真偽を、直接、あちらのVIPにたずねてみました。
「20億円もの予算が出たのなら、まっさきに、そういう情報は私のところに来るはずだけど、聞いたことないな。また、米国では、アガリクス茸については、あまり関心をもたれていないのが実情だ。臨床試験に関してなら、必ずこちらに情報が入る。どうも、このプログラムは、予防に関してのものらしいが、それなら、アガリクス茸のがんについての効果についての研究にならないし。20億円もの予算が予防の研究で獲得できるとは思えないな。」
局長は、はっきり、こういったのでした。それなら、あの日本の健康食品業界のフィーバーは、一体、なんなの?といった感じです。
日本では、こういうノリが健康食品業界にあまりに多すぎるので注意してください。まず、皆さんが、賢くなってくださいね。
そういう米国での現場情報を確認して帰国した後、おもしろいことに、池川哲郎先生といっしょに、ある学会に参加しましたところ、その米国国立がん研究所から20億円研究予算を取ったと称する大学の教授の発表があったのです。
発表をよく聴いておりますと、もう米国国立がん研究所から研究のお墨付きをもらったかのような誇らしげな自慢話といったようなもので、まさに米国医学研究機関の権威という虎の威を借りたような態度や発言ばかりで、内容がなく、なさけなくなりました。
池川先生と私は、学会が終わった後、ビールを飲みながら、こう語り合ったものでした。
「あの教授は、ただ大企業の健康食品業者に、すっかりかこわれてしまって、業者にとって都合のいいことばかりをもっともらしく発言していましたね。米国NCIの権威とネームバリューを傘に着て、得意そうでしたけど、あれで、ひとりの学者として、人間として、恥ずかしくないんでしょうか…」
皆さん、日本の健康食品業界は、もちろん、一部、まじめで誠実な業者の存在することも事実ですが、大企業を含めて、その多くに、かなり信頼できない状況が現実にありますから、よくよく注意してくださいね。
何よりも、皆さんご自身が、かしこく判断することが大切ですね。自分と大切な家族の命と健康管理に関わる情報に対して、知恵と洞察を磨くこと。生命へのインテリジェンスというと、カッコがいいかもしれません。
そういう判断能力と知恵を育むことこそが、一番の予防であり、クスリなのです。