2005年08月06日

今の制度だと実は医者もたいへん

 このブログは、経営者と、その家族のための健康管理と「命もうけ」に役立つような知恵を、わかりやすく伝えるものですが、それには、今の医療の現実をしっかり知っていただく必要があります。

 その上で、どういう選択をしていくかが、助かるか助からないかの「命もうけ」の勝負なのです。 

 できれば、「未病を治す」という言葉があるように、病気になってしまう前に、体の異変を察して、うまくケアをし、病気のリスクを回避してしまうのが一番です。

 今までのブログで、今の医療の問題点をはっきりさせるために、医者の盲点ともいえるところを指摘したため、何か医者ばかりを責めているように感じた方もいるかもしれません。

 でも、今の医療制度にがんじがらめにされて、実は、医者もたいへんなのです。

 父親を脳卒中で亡くした友人が、心機一転、地方の有名国立大学の医学部に入りなおし、消化器系の内科医になったのですが、彼が、大学病院に勤めていたとき、しみじみと私に語ってくれたことがあります。

 「大塚、患者さんをできるだけ時間をかけて診てあげたいんだが、大学病院など、午前中だけで、数百人の患者さんを診なくてはならないことがほとんどなので、患者さんにできるだけ時間を割いて説明してあげたくても、物理的にとても無理なんだ。こちらも、なんとかこなすのが精一杯で、へとへとだ。」

 また、全人的な医療をしたいと医者になった、別の内科医の友人は、できるだけ、薬に依存しないよう、できるだけ薬を出さない指導を患者に実行したところ、患者から、こう怒鳴られたといいます。

 「おまえは、医者で、薬を出すのが仕事だろう?なぜ、もっと薬を出さないんだ、このやぶ医者が!」

 やれやれ、こんな患者だったら、やりきれませんね。全然わかっていないんですから。

 また、先の消化器系の内科医になった友人もいっていましたが、夜中、急患で、寝ているところを叩き起こされて、なんとかかけつけると、患者が、おなかが痛い、と訴えていて、「はやく、薬でなんとかしろ!」とすぐに痛み止めの薬を要求してくる。それを断ると、怒り出す。そんな患者も多いのだそうです。

 彼は言っていました。「だって、大塚、その患者、ただ焼肉食べ過ぎただけなんだよ。自分が食べ過ぎたのがいかんくせに、それを薬でなんとかしろ、と強制してくる。これは患者の方がおかしいよ。

 そうなんですね。医者は原則として、頼ってきた患者を拒否できないルールがありますから、患者を選べない。

 わがまますぎる、いやな患者が来ても、原則として断れないんですね。

 患者の側で、病気というものを、何か自分とは関係のないものとして、なんでも安易に薬に頼って、手っ取り早く解決しようとする意識や根性にも、大きな間違いがありますね。

 そして、どんな名医が時間をかけて診察しても、新米医者のペーペーが診察しても、保険の点数は同じ。

 ましてや、患者さんのいうことに耳を傾け、相手が納得するまで説明する努力を一生懸命にしても、まったく保険の点数になりませんから、親切丁寧に、時間をかけて患者さんの立場に立った医療をすればするほど、病院経営上は、効率が悪くなり、赤字になり、へたをすれば倒産、という悪循環になります。

 患者一人一人に時間をかけずに、機械的に、やたら検査をし、薬を出し、手術を増やし、しなくてもいい点滴の数をやたら増やして保険の点数をかせぐ、そんな感じで、ただ患者の数をこなすほうが、病院経営上、効率よく収益が上がる制度なのです。

 こういう健康保険制度に、非常に怒りを感じ、本当にやりたい医療ができない、と憤っている現場の医者は、かなり多いのです。

 医療費が高騰しているというのに、それに対して制度を長い間少しも変えることなく、無策のままですませている日本のお役人たちの罪はかなり重いと思います。




 

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この記事へのコメント
つながりを大切にする「統合医療」の輪として、よろしくお願いいたします。
Posted by 福岡博史 at 2005年08月07日 14:22