2005年05月27日

花粉症対策の続き−6

 少し間が空いてしまいすいません。気の向くままに、しかし、できるだけわかりやすく、すぐに役立つよう、書いておりますので、忙しいときや気の乗らないときは、ときどきストップいたしますので、ご了承ください。

 花粉症対策のなかで、以前に、次のように述べました。

「睡眠不足、夜更かしは、自律神経を弱め、疲労させ、一種の自律神経失調症をひきおこします。そのことが大きな原因の土台となってアレルギー症状を誘発・促進します。 」

 たかが睡眠とお思いでしょうが、睡眠の「質」「量」「リズムサイクル」「満足度」は、免疫系のはたらきに、多大な影響を与えています。

 免疫系とは、生体のホメオスタシス(恒常性維持)、すなわち、ダイナミックに変化する生体内環境の平衡状態を保とうとするはたらきや、体の本来持つ自己治癒能力のなかで、もっとも活躍しているシステムです。つまり、細菌やウィルスなどの外敵に対して体を防御するようにはたらく、体の抵抗力と考えるとわかりやすいでしょう。

 最近の研究では、自律神経系のはたらきと、この免疫系のはたらきに密接な関わりがあることがわかってきています。自律神経系とは、無意識のうちに生体のコントロールを行なっている神経のネットワークのことで、大ざっぱにいうと、体内にある器官や組織を拡げたり縮めたりという調節機能を、交感神経と副交感神経のペアでやっているということです。

 実は、昼と夜では、この自律神経のはたらきが大きく異なっています
 昼間は、どちらかというと、交感神経が優位にはたらいていますが、夜になると、副交感神経が優位にはたらいています。ようするに、そういう本来の生体のリズムサイクルがあるわけです。ちょうど、その交感神経と副交感神経のリズムサイクルの切り替えは、波のようで、昼と夜で、さかんにはたらく神経が見事入れ替わります。

 昔は、日の入りとともに、休息に入り、夜明けとともに、活動を始めるという大自然のリズムのままに、人間は、早寝早起きだったのですが、電気の発明で、夜でも光を使えるようになり、夜になっても、人間は遅くまで活動できるようになりました。

 さらに、ここ数年で、テレビゲームや、インターネットの普及により、深夜まで、何かとパソコンを使っているようなケースが増えました。24時間やっているコンビニなどの影響もあり、多くの若者には、夜更かし族が多いです。また、都会に住んでいると、夜更かしになりやすくなります。

 そうすると、当然、本来の自律神経系の交感神経と副交感神経のリズムサイクルの波は、その切り替え時刻が、どんどん後のほうにずれこみ、うまく切り替えがいかないようになってきます。

 すると、全身の調整・調節役をやっている自律神経系のはたらきは、本来のようにうまく調節機能を果たしにくくなってきて、無理な適応に、疲れをため、自律神経失調という状態になります。ようするに、自律神経が疲れて弱ってへたばってきてしまうわけです。

 となると、自律神経のはたらきが乱れ、弱れば、その影響は、もろに、免疫系のはたらきの乱れや低下になってあらわれます

 その証拠に、たとえば、ちょっと薬を塗ればよくなっていたような水虫の人が、夜更かしをして睡眠不足になったとたん、薬を塗っても治らないほどに水虫は悪化してしまいます。なかなか治らなくなる。

また、逆に、アトピー性皮膚炎の人でも、夜更かしをやめ、早寝早起きを実行したとたん、皮膚の状態が、それだけで、以前よりずいぶん状態が良くなるなどということが、実際におきます。

 みな、自律神経系のはたらきに、関わっています。

 さらに、癌細胞は、夜中に進行すると、いわれています。

 また、最近、多くなってきた「うつ病」も、自律神経失調で、夜更かしの人ばかりです。

 私も、原稿の締め切りに追われているときや、ひとりで落ち着いて集中したときは、ついつい夜遅くまでやってしまうこともありますが、どうも、東京にいると、そういう風になりやすいようで、地方や田舎の方に行くと、自然に早めに休むようになるので、おもしろいものです。

 でも、健康のため、夜遅いのは、やはり良くないようです。私も親しい友人から、ときどき注意されるので、思わず、反省。たしかに睡眠不足が続くと、風邪などひきやすくなりますしね。

 とくに、花粉症のようなアレルギーの症状に苦しんでいる方々は、思い切って、早く寝て、たっぷり寝て、早めに起きる、というリズムを作り出すと、自律神経系の本来の自然なリズムサイクルを次第に取り戻し、自律神経系のはたらきがだんだんうまく調整され、免疫系の異常で過敏なはたらきをだんだんおさめていくよう作用します。

早寝早起き、たっぷり深く眠る、のは免疫のバランスを取り戻す要のようです。

 けれど、花粉症にひどい症状に悩まされている人に、出版社の編集者が、かなり多いのは、締め切りに追われるストレスといい、締め切りのために夜更かししやすい環境にあることといい、まわりの追いまれた環境にうまく適合して、自分の無理のないペースを作り出していくには、かなり知恵と工夫が必要かもしれません。

 私も医学ジャーナルの編集主幹なるものを、5年間やらざるをえない状況に追い込まれたときがありますが、締め切りをいつも意識する生活は、自律神経系と免疫系のはたらきによい生活環境とは、とてもいえなかったので、実感として、よくわかります。

 だからこそ、簡単な知恵を生かして、あえて工夫して、いやな花粉症を少しでも改善してもらうきっかけになることを、願っています。





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この記事へのコメント
大塚先生

遅ればせながら、ブログ開設おめでとうございます。
花粉症/アレルギーのお話は興味津々です。
私自身アレルギー鼻炎と少々のアトピーの持ち主ですが、睡眠時と覚醒時、寝不足時、また(たぶん花粉と関係なく)季節の変わり目は100発100中おかしくなるので、何かサイクル的な問題なのではと薄々思っていましたので、「やっぱり」と思いました。

生活サイクルとの関連とすれば、現代人がやたら多く、子供までもかかっているのは合点がいきます。私の自宅のとなりは学習塾で、私が残業帰りで11時くらいになっても煌々と明かりがついてます。

勉強しすぎやオーバーワークは「命もうけ」に反するなあと実感します。

これからの面白い話題のかずかずに期待しております!
Posted by 田中晴夫 at 2005年05月30日 17:33