2005年05月16日

実際にあったウソのようなホントの話

 実際にあったことなのですが、比較的かるい花粉症の患者さんが、私の友人の耳鼻咽喉科の女医さんをたずねました。

 その女医さんは、頭頚部(ようするにアタマからあご、首筋にかけての部分と考えてください)の、非常にむずかしい手術を平気でやってしまうというすご腕の女医さんなんです。人柄も良いし、患者思いでもあります。

 さて、その女医さんに、診察室で面会した、その患者さんは、思わず、彼女の様子を見て、こういいました。

 「先生、かなりひどくて苦しそうですが、大丈夫ですか?あまり無理しないほうが…」

 実は、その女医さん、自分がひどい花粉症で、眼は真っ赤にはれ、鼻も詰まって苦しそうで、先生自らぶ厚いマスクをして、苦しそうに診察していたんですね

 つまり、自分の方が、患者さんより、ひどい花粉症の症状に苦しめられていたわけです。それで、かるい花粉症の患者さんの方が、思わず、その重症の花粉症の先生に、同情してしまったというわけです。

 えらそうなふりして、自らひどい花粉症であることをかくさないで、花粉症の患者さんの診察にあたる彼女の正直さと腹の据わったところは、逆に感心もしますが、とはいえ、治す指導をする医師の側が、それでは、正直いって、あまりたよりにならない感じですよね。

 こういうケースって、意外に、医療者の側にすごく多いですから、知っておいたほうがいいと思います。

 たとえば、アトピー性皮膚炎にくわしい皮膚科の専門医のところには、当然、アトピー性皮膚炎の患者さんが治療をもとめて来るわけですが、その皮膚科医師のお子さんが、実はひどいアトピー性皮膚炎で、治らなくて困っている、というようなケースはけっこう多いのです。

 こういう医療の現場の現実のパラドクスを知っておくことも、自分や家族に何かあったとき、最善の方法を選択するための知恵のヒントになると思います。





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