2011年01月26日

この事実にはえらく感動してしまいました

偶然、この動画をYouTubeで見つけました。

見ていて、何か心が洗われる思いがしました。

ただただ唖然として驚き、感動し、泣けてきてしまいました。

人間の持つ可能性とは、実にすごいものですね。

ここまでできるものなのか。

「自分だって、やればできる」と信じて、行動し続けることが、現実にどれだけすごいことを成し遂げるのか、ということのいい例だと思います。

でも、その背後にある、すさまじいまでの努力。

また、あたりまえの普通の子供として育てたお母様がえらいし、すごい。

私も大いに励まされ、めげそうなときにも立ち向かう勇気が湧いてきました。

ありがとう。

本当に人間って、不可能だとあきらめなければ、すごいことができてしまうのですね。

何かBBCの事件に怒ったあと、胸がすーっとしました。


  

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2011年01月25日

問題のBBC放映番組の「日本語字幕つき動画」を見つけたのでアップしました

私は、今回は、どうしても書かずには入られない衝動に突き動かされて、昨晩は、徹夜でブログを書きました。

動画をアップしても、英国人の癖のある英語は、英語がわかる人でも聞き取りにくいことがあります。

多くの日本人は、本当のところのニュアンスが言葉の会話からたしかめられなくて、もどかしく思われていたことでしょう。

とても幸いなことに、丁寧にかなり正確に、YouTubeの動画に字幕を付けてアップしてくれた方がいたようで、これは多くの日本人が言葉のニュアンスを理解できるため、たいへんありがたいもので、わざわざそうしてくださった方に心から感謝いたします。

こういうときにネットでさりげなく、皆さんお助けになってくださる方がいることはとてもうれしいものですね。

その字幕付き動画をアップしておきますので、どうぞ会話の意味がよくわからなかった多くの方々にご覧いただきたいと思います。




  
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2011年01月24日

緊急告知−BBCという英国の公共放送で堂々と放映された信じられないようなTV番組

歴史と格式のある世界的に有名なBBCという英国の公共放送で信じられないようなTV番組が放映されました。

これを知って、TV番組の内容を見て、たしかめた私はショックを受けました。

BBCは世界的に有名な英国の公共放送であり、ちょうど日本でいうNHKにあたります。

今までに、数々の優良番組を制作してきており、とくに科学と教育に関する立体的で興味深いTV番組の数々には、いつも私は感動し、敬服すらしていたものでした。

ところが、たまたま開いたYahoo! ニュースで、BBCがTV番組で、被爆者を笑いものにした、というような記事があったので、まさか!と思い、YouTubeでチェックしてみました。

NHKのBS1での報道は、押さえ気味、控えめに、フジテレビの報道は、かなり長くBBCの問題のTV番組そのものを放映し、紹介していました。

番組の様子を見てみて、これは、かなり悪質で、面白半分に、原爆の実際の被爆者が名指しで特定された上で、故意にお笑い番組のブラック・ジョークに利用されている事実を知り、どうしようもない憤りをおぼえました。

英国(とくにイングランド)という国は、プライド高く、紳士的な国のように見えますが、階級社会のせいもあってか、裏の面では、へんに神経質で偏屈で、実に陰湿に皮肉っぽいところがあり、そういうシニカルなブラックユーモアが好きな国でもあります。

そういう英国人のネガティブな部分をおもしろおかしく風刺して誇張し、コメディにして、世界的に大ヒットしたのが、「ミスター・ビーン」ともいえます。

英国人の、へんに神経質で皮肉っぽい気質を、ロンドンに滞在した折に何度も実体験している私は、なんで「ミスター・ビーン」が世界的に大受けするのか、よくわかったような気がしたものです。英国人たちにとっては、自分たちのネガティブな気質を見事に表現している自嘲的なブラックユーモアであり、他の海外の人たちには、「ミスター・ビーン」の世界に、そのいやらしいくらいの英国人気質が非常に上手に誇張して描けているがために、よーくわかる、わかると、共感を持って笑いこげるわけです。ですから、私は、そういう「ミスター・ビーン」的笑いのファンでもあります。

ですが、今回、BBC制作の、人気のあるらしいTVコメディ・クイズ番組で、実際に行なわれたことは、ブラック・ジョークのレベルどころではありません。

例えて言えば、アウシュビッツでのユダヤ人虐殺を正当化して、その悲惨な犠牲者を、笑いの種にして、聴衆の受けをねらうような、実に下劣で、卑劣で、下品極まりない、ゼッタイに人間がここまで落ちてしまってはならないような愚劣な内容でした。

ユダヤ人なら、すぐに強い抗議行動をとり、強力な圧力を放送局にかけてきて、国際的な制裁を求めてくるでしょう。

実際、大量虐殺はなかった、というような記事を載せた日本の雑誌が、国際的なユダヤ人人権団体から強い抗議と圧力をかけられ、ただちに廃刊に追い込まれたケースが実際にありましたね。

YouTubeに投稿されていた動画へのコメントで、とくにNHK BS1の報道が早かったので、すぐに英語で、抗議のコメントを書いたところ、英語を使う外国人あたりから、日本人は英語力がないから、イギリス人のユーモアを理解できず、誤解している、これは被爆者を笑いにしているのではなく、二重被爆の彼の例をむしろたたえて、英国の鉄道会社のだらしなさを皮肉っているものだ、などというコメントもありましたが、私は英語がかなりわかるので、BBCでの放送番組を丸ごと全体を何度も見ましたが、二重被爆をして昨年亡くなられた山口さんをくりかえし肴にして、実にシニカルな笑いの種に使っている事実は揺るがすことのできない証拠(エビデンス)と断言できるものでした。



私は、これは明白な被爆者への侮辱であり、日本の被爆者のみならず、世界中にいる放射能被爆者への侮辱であり、いや、歴史上こういう悲惨な体験を強いられた被爆者全員と日本人全体に対しての完全な侮辱であると感じざるを得ませんでした。

また、国民の医療を無料で行なう英国は、むしろ福祉に対しては米国とはちがう見識がある国で、身障者に対しての公共では、かなり配慮をしている国でもあります。

ということは、この低俗で悪質なお笑い番組を制作したり、それを見て笑っている英国人ばかりが、大多数の英国人ではないはずです。

それならば、同時に、むしろ良識のある善良な英国民のイメージを国際的に著しく落とし、結果として英国民をはずかしめるような番組になってしまっているのではないでしょうか?

私が英国人ならば、英国人の誇りと品格を著しく損ねた罰として、番組責任者と司会者と参加者を、全員、銃殺したくなりますが。英国人の許しがたき恥ですから。


私は、即座に、BBCのホームページの苦情を受け付ける窓口から、きちんと自分名前を名乗った上で英文で明確な抗議文をBBCに送り、謝罪などでは手ぬるいので、番組担当プロデューサー・デイレクターと番組出演者からの謝罪、および、彼ら全員の解雇を求め、かつ国の公共放送が行なったことで、被爆者の名誉と人権を著しく損ねた日本と日本人全体を侮辱した内容なので、英国政府からの直接の謝罪を求めました。これくらい要求しないから、日本人はなめられるのです。

アングロサクソンという白人は、歴史上、多くの国を侵略し、植民地にし、人を奴隷化して、自分たちはうまい汁を吸ってきて、それを正当化する人たちですから、非常にしたたかでずるいくらいに小利口な連中です。

ですから、すぐに、自動返信システムで、あらかじめ用意されているらしい、単なる自分たちが責任をかぶってクビにならないように、ソツなくいいわけしただけの内容の文面を担当プロデューサーの名前で送ってきました。(ここらへんは、ただ無視して知らん顔してごまかす日本よりも上手です。)

おそらく日本のマスコミ宛に出したものと内容は同じだろうと思います。

日本のマスコミは、いっせいにBBCが謝罪、と書きましたが、真っ赤なウソです。これは明白に謝罪などではなく、単なる自分たちが責任をかぶらない保身のための巧妙ないいわけと自己正当化のための釈明にしかすぎないことを私は、はっきりと読み取りました。

この文を「謝罪」と報道する日本のマスコミの頭の悪さには、驚かされます。もしかすると、事なかれ主義の外務省あたりから、一応、謝罪のようなかたちで返答を得たのだから、そう解釈し、穏便に処置しろ、というお達しでもあったかのようです。

というのは、BBCの番組内容をそのままかなり長く引用してインターネット上の報道をしていたフジテレビ系のニュースが、急にすでに報道したその番組を編集しなおしてきている様子があり、わざとそのBBCの番組で放送された内容があまりわからぬように加工したような処置をしてきたからです。BBCとの取引や関係を重んじて、会社幹部がニュース編集担当に圧力をかけたのかもしれませんね。実際、日本を売り渡す売国奴は、日本の側にいるのかもしれません。

私は、海外には国際会議などで、ここ20年間でおよそ900回以上世界を飛び回って、いろいろな人種の方々と実際につきあってきた人間なので、世界の中で、とくに欧米人らに、いかにはっきりものを言わないあいまいな日本人がなめられているか、よく知っています。そういう連中にやたら媚を売る日本人もいます。

今回の問題は、前原外相や菅首相が、自ら国際的な外交上支障をきたすような大問題として取り上げて、BBCと英国政府に、直接、抗議をして、在住の英国大使を呼び出し、英国政府とBBC責任者の、自分たちの責任を全面的に認める「無条件な謝罪」を強く要求し、番組出演者と責任者全員の「解雇」をはっきり要求すべきでしょう。それくらいできないならば、いつまでたっても日本は腰抜け外交です。とくに欧米人は、くどいくらい言語化して、ハッキリ主張しないと、全然わからないし、わかろうともしない連中なのです。

この問題は、日本人が世界から、これ以上なめられないためにも、断固として国際問題化するべきでしょう。被爆者を特定してブラックジョークの笑いのネタにするなど国際的な人権問題としても許されないことです。

あんな適当ないい訳の文章を「謝罪」と報道するほど、英語力のない間抜けな日本のマスコミではゼッタイあかん、と思います。

証拠に、私のちゃんと名前を付けて書いた論理的な抗議文に対して、すぐに自動返信システムでこちらに送ってきた、事が深刻化してきたときのために、あらかじめ自分たちの責任のがれに巧妙に用意されていたような文面を公開しておきます。皆さんも、インターネットでの翻訳機能を使うなりして英語をチェックしてみてください。

自分たちの責任で制作したくせに、人ごとのように、今回のようなことになってしまい、たいへん残念だ、とか他人事のように書いてきています。

被爆者をあえて特定して、原爆という人類の悲劇を、平気で下劣なお笑いの種に使ってしまったことに対する反省など、一行も書いてないのです。


これは、責任問題になったときに、責任をかぶらないよう上手にごまかそうとする欧米人の典型的な常套手段ですので、覚えておいてください。したたかな連中に対しては、お人よしなだけの対応をしていては、ますます日本と日本人を甘くみられるだけです。

これは、改めて、このグローバルな国際社会で、BBCに制裁を与えるくらいな気持ちで、断固として日本人は妥協しないことが必要です。

むしろ心ある英国民を味方にしていくくらいの気持ちで、「人間の尊厳」の国際的な大問題として、堂々と英国政府とBBCに妥協なく、対処すべきです。


その方が、内容が正しく的を得ていれば、個人主義の欧米社会では、かえって評価されるものなのです。

今こそ、日本人は、弱者を笑いものにして、本音では何も反省もしていないBBC側と英国政府に対して、日本人をなめるのもいい加減にしろ、とはっきり発言し、妥協のない態度で示すべきなのです。

BBC側は今後の参考にするとだけいっているだけで、反省などまったくしていません。被爆者に対しての誠意などまったくありません。その証拠に、直接BBCのホームページから、問題の番組をたしかめようとすると、日本からアクセスすると、すでに日本人の感情をこれ以上逆なでしないようにと、すでに視聴できなくなっていますが、UK内では、まだ、人気のお笑い番組の過去の放映分として今でも平気で視聴できます。だから、かえってその証拠を事実としてたしかめることができた、というものです。

このブログでは、日本で放映された、比較的わかりやすく、あまりカットしないで放映しているニュース(Youtube)と、BBCから直接の動画映像をゆるがせない証拠として、このブログに紹介しておきます。(このブログを書いた後、日本人たちの抗議によって、BBCは、とうとう今まで公開されていたその動画を閉じたようです。それまでは野放し状態で公開されていました。1/26/2011 追記)



とくに、番組の背景に、いまわしい原爆のきのこ雲を両脇に飾って、その真ん中に実際の被爆者である山口さんの顔写真を飾るなど、とんでもない許しがたい人間として許せない侮辱行為を英国の公共放送はやっていて平気でいるわけです!

心ある日本の皆さん、こういうときに、だまっているのは、もうますますグローバル化していく社会では通用しませんから、はっきりよくないことは、よくない、と堂々と世界に向けて、日本と日本人の誇りにかけて明確に主張していきましょう。


最後に、このBBCのTV番組の制作担当プロデューサーとディレクター、さらに番組の司会者と参加者全員の名前と担当プロデューサーからの自動返信によるいい訳文面を、彼らに責任逃れをさせないためにも、はっきりとここに公開しておきます。

なぜなら、これは、彼らの故意による、日本人全体に対する、きわめて悪質な侮辱ですから、日本人と心ある多くの英国人の名誉回復のためにも、彼らの「永久解雇」を求めて、ここに実名を公開しておきます。

BBCの件、英国の出演者、責任者の名前は以下のとおりです。

Presenter  Stephen Fry ( 司会者 )
Participant Alan Davies
Participant Bill Bailey
Participant Rich Hall
Participant Rob Brydon
Director   Ian Lorimer  ( 番組担当ディレクター )
Producer  Piers Fletcher ( 番組担当 プロデューサー )
Producer  John Lloyd.  ( 同 プロデューサー )


また、BBC側から来た、謝罪文ではまったくない、巧みないいわけ文の実際の英文内容は以下の通りです。参考にしてみてください。むしろ、山口さんという稀有な驚くべき存在を知らしめるために、などというニュアンスでご機嫌をとろうとしてきていますが、なんでそれなら、あのような故意の悪意ある笑いのネタに特定したのか、といってやりたくなります。日本人が英語わからないと思ってなめるなよ、です。

なお、最後に、FNNのインターネットニュースで、まずBBCに直接、抗議し、これは国としても抗議すべきだ、と勇気ある進言を日本大使館にした、在英日本人にインタビューした動画を見つけましたので、どうぞクリックしてご覧になってください。

彼らは、非常に冷静に正しく状況を観察しており、イギリス流なブラックジョークで悪意はないにせよ、原爆という人類の悲劇をネタにお笑いにするにはおかしいし、その悲惨さにまったく触れないままで安易に取り扱ってすませたことは許しがたく、大いに失望した、と実に正論を述べていました。

ああ、海外で、日本人の誇りを失わないで、がんばっている日本人がいるんだなあ、と目頭が熱くなりました。こういう人たちこそ、本当のサムライです。感動してしまいました。彼らこそ蔭のヒーローです。日本と日本人への不当な辱めに対し、断固ノー!と訴えたのですから。

勇気ある在英の日本人の彼らに強く指摘されなければ、ふだんはただ新聞の切抜きばかりをしているだけともいわれている日本大使館や外務省は、まさに自分たちからは知っていても自発的に何もしようとしなかったわけで、まさに腰抜けですね。すべてに判断・行動が遅すぎますし、その情報感覚の鈍さと、なんとかあいまいに無難におさめようと画策しがちな、事なかれ主義の役人根性ときたら、日本人としてただ恥ずかしく思う限りです。ですが、今回は重い腰をあげて、約1ヶ月遅れで、日本大使館としてBBCに正式に抗議したことは評価します。番組が放映されたのは昨年12月中旬ですから、このインターネットの時代にあまりに反応が遅すぎますけどね。


Thanks for contacting us. Below is a response to your concerns from the producer of ‘QI’.

‘Thank you for taking the trouble to write to us about the recent edition of QI which dealt with the remarkable story of Tsutomu Yamaguchi, to which I am responding in my capacity as Producer of the programme.

I should say from the outset that we greatly regret it when we cause offence, and that it is never our intention to do so. QI is not a programme which habitually mocks its subject-matter; on the contrary, we try to recognise and celebrate less well-known people, events and ideas. On this occasion we pointed out
the very striking nature of Mr Yamaguchi’s experience by relating, without distortion, a story which had been covered extensively in the Japanese media and about which Mr Yamaguchi himself spoke quite openly. We then went on to sincerely admire the resilience of the Japanese in the circumstances of the time (in the context of how the trains continued to run in the aftermath of the bombing).

It has been suggested to us that we would not have run an item of this kind about the European or American experience of the Second World War. For the record, I would point out that we do in fact run such pieces quite regularly.

However: having said all this, it is apparent to me that I underestimated the potential sensitivity of this issue to Japanese viewers. It isn’t hard to see that they might well regard this topic as altogether unsuitable for inclusion in a light-hearted television programme however sensitively it was handled.I thank you for making us aware of the issue, and for the courteous terms in which you did so; please rest assured that I do recognise your concerns and will certainly take them into account in future.


Yours sincerely

Piers Fletcher
Producer, QI’

Thanks again for taking the time to contact us.

NB This is sent from an outgoing account only which is not monitored. You cannot reply to this email address but if necessary please contact us via our webform quoting any case number we provided

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2011年01月01日

2011年、新年あけましておめでとうございます!未来への統合医療ホスピタル・ビジョンについて

皆さん、あけましておめでとうございます!

そして、皆さん、たいへん申し訳ありませんでした。

2009年は一度もブログを更新いたしませんでした。中には、いつも楽しみにしてくださっていた方も、少なからず、いてくださったようで、そういう方々に心から感謝するとともに、1年間書かなかったことを深くおわびいたします。

また、再び書き出しますので、どうぞ、ご期待ください。

以下は、今年の年賀状に盛り込んだ、未来の統合医療ホスピタル・ビジョンについて凝縮して書いた入魂の文章を中心にブログ向けに編集しなおしたものです。

このビジョンをはっきり誰にもわかる、納得できるコンセプトとして、実にシンプルにまとめることに、2年の海外の先端ホスピタルを取材し、アイデアとビジョンをあたためておりました。

2009年の11月に、東京大学安田講堂で記念すべき日本統合医療学会の大会が行われました。

引き続き昨年2010年の3月には、海外より演者を招いて、アジア国際統合医療学会が東京大学小柴講堂で開催されました。

このことは、早くより1983年ごろから東西医学を統合するような全人的医療(ホリスティック・メディスン)の必要性と可能性を感じていた私としては、なんとも感無量の思いがありました。

東大で統合医療学会の大会を行うなど、20年前は想像もできなかったことです。1989年に東京医科大学付属病院臨床講堂で、ホリスティック医学シンポジウム'89を開催できたことだけでも、当時は奇跡のように感じていましたから。

ここ数年、大学病院や大学医学部などでの方針を示す言葉にも「全人的医療」という表現が目立ってまいりましたが、これも20年前にはなかったことです。

時代にゆっくりと認知されつつあることはたしかなようです。

ここ2年ほど、私は、世界の先端をいくホスピタルの環境空間というものに強い関心を持ち、それに関する海外での国際会議に毎年参加し、だんだんとはっきり見えてきたビジョンがあります。

それは、何よりも、「ホスピタル」とは、そもそも弱っている人間が元気を回復していく場であり、本来は、何より患者さんがHappyになるための場のはずだ、ということです。

また、医師や看護師が忙しすぎて、過労で心にゆとりがないのに、患者さんの前では笑顔でいようとすることにも、やはり無理があります。

患者さんを応援し、サポートする医療者たちも、患者さんの回復をともによろこび、Happyになれる場。

患者さんが、ぐっすり眠れ、安心して休息でき、Happyになれる場。

病院では患者さんは安眠できないので、病院に長くいると休息できず、病気はかえって悪化する、という認識は、医師たちが本音レベルで常識としてそう思っているというのが事実のようです。)

患者さんと医療者が協力して、いっしょに健康上の問題解決に取り組み、ともにHappyな気分を分かち合えるような場。

そこにいるだけで、しだいに元気が出てくるようなホスピタルの環境づくり。

そういうホスピタルこそが、今日、患者さんにも医療者にも、切実に求められているのではないでしょうか?

まことに残念ながら、こういう発想が、今までの日本の「病院」には全然なかったように思われます。

病院は、「病気の工場」ではありません。また「病人の監獄」でも「病人の収容所」でもないはずです。

でも、そういう重苦しいネガティブなイメージがついてまわりますね、病院には。

だいたい「病院」という言葉がいけません。まるで、よくなるどころか、「病の館」みたいな名称じゃないですか。

今日の医療のほとんどが、まるでクスリ屋の利益に都合の良いように計画され、デザインされているかのようです。

厚生省も、病院も、医者も、医大での医学教育も、あたかも巨大な製薬会社のビジネスの利益になるのに都合がいいように、ほとんど洗脳されてしまっているかのようです。

世界的に見ても、大切な人の命を守るための医療が、ほとんどクスリ屋の都合に合うような発想ばかりで、がんじがらめになっているではないでしょうか。

だから、「ホスピタル」という環境空間のコンセプトとデザインには「本質的な意識革命」が必要なのだと思います。

世界では、すでにエコロジカルなホスピタルを象徴する「Green Hospital」(グリーン・ホスピタル) のコンセプトが注目されてきており、エコで、省エネ、無公害、さらには、クリーンエネルギーを駆使したゼロ・エミッションのホスピタルを目標にするビジョンまでが、すでに登場してきています。

いずれ感性豊かな日本にこそ、そういう知恵を結実させた本物のホリスティックな統合医療ホスピタルが実現し、それをモデルとして世界に堂々と示したいものです

本年もさらなるご支援をよろしくお願いするとともに、皆様とご家族の一日一日が、健康に恵まれ、笑顔と充実した幸福感にあふれたものでありますよう、心からお祈りしております。


  
Posted by otsukako at 05:00Comments(3)TrackBack(0)